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今回の和歌
94番 参議雅経(さんぎまさつね) 『新古今集』秋・483
み吉野(よしの)の 山の秋風 小夜(さよ)ふけて
ふるさと寒く 衣(ころも)打つなり

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
美しい吉野の山に秋風が吹き、夜が更けていく。
かつての都の吉野は冷え込み、機(はた)を打って衣を織る音が聞こえてくる。
語句解説
【み吉野の】
「み」= 言葉の頭につけ、敬称の意味が込められます。
「吉野」= 奈良県吉野の事を指し、古代では天武天皇が壬申の乱で陣を置いたり、南北朝時代には後醍醐天皇が都を開いたりと、日本史では欠かせない場所です。
【山の秋風】
秋に山から吹き下ろす涼しく寂しい風。
季節感や物寂しさを表す情景語です。
【さ夜ふけて】
「夜がふけて」という意味です。
「小夜」= 夜を柔らかく言い換えた古語。
【ふるさと寒く】
「古代に都があり、さびれた場所」を「古里(ふるさと)」と言っています。
天武天皇の時代の事を指しています。
↓天武天皇について解説しています、こちらもご覧ください!!↓
【衣打つなり】
「衣を打つ音が聞こえてくる」という意味。
機織りのとき、布を織り締めるために打ち鳴らす音を指しています。
砧(きぬた)(下の写真の女性が右手に持っている棒)で衣を叩き、柔らかくして光沢を出す作業の時に音が出ます。
〈画像:Wikimedia Commons〉
作者:参議雅経
飛鳥井 雅経(あすかい まさつね)〈1170年 ~ 1121年〉
鎌倉時代前期の公家・歌人で、藤原氏の流れをくむ飛鳥井家の祖です。
和歌の才能に優れ、『新古今和歌集』の撰者にも選ばれています。
朝廷に仕えて官職を歴任する一方、歌道家としても活躍し、風雅で典雅な作風を得意としました。
政治的には後鳥羽上皇の近臣として出世しましたが、承久の乱(1221年)に関与し後鳥羽上皇方に属して敗れ、土佐に流されました。
↓承久の乱(1221年)を解説しています、こちらもご覧ください!!↓
繊細な自然描写と深い感情表現が特徴で、四季や恋を詠んだ作品が多く、平安以来の和歌美学を鎌倉期にも受け継いだ人物として評価されています。
鑑賞:古代の都の隆盛、聞こえてくる音から🏡
吉野の山里に吹く秋風が、夜更けと共に冷たさを増し、遠く離れた故郷の寂しさや孤独感をしみじみと感じさせる情景を描いています。
吉野は都から離れた山深い地で、もともと「隠棲」「人里離れた場所」というイメージが強く、そこでの秋の夜はひときわ孤独に響きます。
「衣打つなり」という結びは、寒さに備えて布を打って柔らかくし、着物に仕立てる音を指します。
日常的な労働風景であると同時に、「人の暮らしの温もり」が間接的に伝わってくる音でもあります。
しかしここでは温かさよりも、周囲が静まり返っているためにその音がかえって寒さや寂しさを際立たせる効果を持っています。
静寂・冷気・かすかな音によって秋の深まりと孤独感を象徴的に表現しており、作者らしい情景と心情の溶け合った余韻のある作品です。
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