百人一首 一覧 2025.06.292025.08.24 和歌の世界へようこそ~百人一首の旅~ 番号順 作者名順 一番下へ No.1 天智天皇 秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手に雪は降りつつ No.2 持統天皇 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山 No.3 柿本人麻呂 あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む No.4 山部赤人 田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ No.5 猿丸大夫 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき No.6 中納言家持 鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける No.7 安倍仲麿 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも No.8 喜撰法師 我が庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり No.9 小野小町 花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに No.10 蝉丸 これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関 No.11 参議篁 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟 No.12 僧正遍昭 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ No.13 陽成院 筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる No.14 河原左大臣 陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに No.15 光孝天皇 君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ No.16 中納言行平 立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む No.17 在原業平朝臣 ちはやぶる神代も聞かず龍田川からくれなゐに水くくるとは No.18 藤原敏行朝臣 住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ No.19 伊勢 難波潟短き蘆のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや No.20 元良親王 わびぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ No.21 素性法師 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな No.22 文屋康秀 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ No.23 大江千里 月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど No.24 菅家 このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに No.25 三条右大臣 名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな No.26 貞信公 小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ No.27 中納言兼輔 みかの原わきて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ No.28 源宗于朝臣 山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば No.29 凡河内躬恒 心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花 No.30 壬生忠岑 有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし No.31 坂上是則 朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪 No.32 春道列樹 山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり No.33 紀友則 ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ No.34 藤原興風 誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに No.35 紀貫之 人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける No.36 清原深養父 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ No.37 文屋朝康 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける No.38 右近 忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな No.39 参議等 浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき No.40 平兼盛 忍ぶれど色にいでにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで No.41 壬生忠見 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか No.42 清原元輔 契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波こさじとは No.43 権中納言敦忠 逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり No.44 中納言朝忠 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし No.45 謙徳公 あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな No.46 曾禰好忠 由良の門を渡る舟人かぢをたえゆくへも知らぬ恋の道かな No.47 恵慶法師 八重むぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり No.48 源重之 風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけてものを思ふころかな No.49 大中臣能宣 御垣守衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつものをこそ思へ No.50 藤原義孝 君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな No.51 藤原実方朝臣 かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを No.52 藤原道信朝臣 明けぬれば暮るるものとは知りながらなほうらめしきあさぼらけかな No.53 右大将道綱母 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る No.54 儀同三司母 忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな No.55 大納言公任 滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ No.56 和泉式部 あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびの逢ふこともがな No.57 紫式部 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲がくれにし夜半の月かな No.58 大弐三位 有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする No.59 赤染衛門 やすらはで寝なましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな No.60 小式部内侍 大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 No.61 伊勢大輔 いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな No.62 清少納言 夜をこめて鳥のそらねははかるともよに逢坂の関は許さじ No.63 左京大夫道雅 今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな No.64 権中納言定頼 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬々の網代木 No.65 相模 恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ No.66 前大僧正行尊 もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし No.67 周防内侍 春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそをしけれ No.68 三条院 心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな No.69 能因法師 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は竜田の川の錦なりけり No.70 良暹法師 寂しさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋の夕暮れ No.71 大納言経信 夕されば門田の稲葉おとづれてあしのまろやに秋風ぞ吹く No.72 祐子内親王家紀伊 音にきく高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ No.73 権中納言匡房 高砂の尾の上のさくら咲きにけり外山のかすみ立たずもあらなむ No.74 源俊頼朝臣 うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを No.75 藤原基俊 契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり No.76 法性寺入道前関白太政大臣 わたの原こぎいでて見ればひさかたの雲ゐにまがふ沖つ白波 No.77 崇徳院 瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ No.78 源兼昌 淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜ねざめぬ須磨の関守 No.79 左京大夫顕輔 秋風にたなびく雲のたえ間よりもれ出づる月の影のさやけさ No.80 待賢門院堀河 長からむ心も知らず黒髪の乱れて今朝はものをこそ思へ No.81 後徳大寺左大臣 ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる No.82 道因法師 思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり No.83 皇太后宮大夫俊成 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる No.84 藤原清輔朝臣 永らへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき No.85 俊恵法師 夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり No.86 西行法師 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな No.87 寂蓮法師 村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ No.88 皇嘉門院別当 難波江の芦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき No.89 式子内親王 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする No.90 殷富門院大輔 見せばやな 雄島の蜑の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず No.91 後京極摂政前太政大臣 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む No.92 二条院讃岐 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし No.93 鎌倉右大臣 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも No.94 参議雅経 み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり No.95 前大僧正慈円 おほけなく 浮世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖 No.96 入道前太政大臣 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり No.97 権中納言定家 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ No.98 従二位家隆 風そよぐ 楢の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける No.99 後鳥羽院 人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は No.100 順徳院 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり