グリーンランドは世界最大の島であり、北極圏に位置する巨大な土地です。
人口はわずか5万人ほどですが、近年この島をめぐって世界の大国が注目しています。
特にアメリカは、150年以上前からグリーンランドの獲得を検討してきました。
2019年には当時のトランプ大統領が、デンマークに対してグリーンランドの購入を提案したことでも大きな話題になりました。
そして最近再びトランプ大統領が、グリーンランドを購入したいと言い出しました。
しかし、なぜアメリカはそこまでグリーンランドを欲しがるのでしょうか。
その理由は単なる土地ではなく、
- 北極圏の軍事拠点
- 莫大な地下資源
- 新しい海上貿易ルート
といった、世界の勢力図を左右する重要な要素が集中しているからです。
この記事では
- グリーンランドをアメリカが狙う理由
- 過去に本当に購入しようとした歴史
- 中国やロシアも関わる北極争奪戦
について分かりやすく解説します。
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グリーンランドの概要
グリーンランドは北極圏に位置する世界最大の島です。
まずはグリーンランドの位置を確認しましょう!

〈グリーンランド:Wikimedia Commons〉
因みに、私たちが普段見ている世界地図の多くは、メルカトル図法という方法で描かれています。
カナダの右上に映っている巨大な島がグリーンランドです。

メルカトル図法は航海には便利な地図ですが、高緯度の地域ほど実際よりも大きく表示されるという特徴があります。
オーストラリアの三倍くらいの大きさに見えますが、実際はオーストラリアよりも小さいです。
比較画像を載せておきます。

面積は約216万平方キロメートルで、日本のおよそ6倍です。
しかし、人口は約5万6000人程と非常に少なく、島の約8割は氷で覆われています。
グリーンランドの命名者はアイスランドのヴァイキング・「赤毛のエイリーク」です(要するに海賊です)。

〈赤毛のエイリーク:Wikimedia Commons〉
彼はこの地に入植希望者が多数現れることを願い、「緑の島」と名づけたようです。
現在はデンマーク王国の自治領となっており、外交や防衛はデンマークが担当しています。
デンマークの場所も確認しておきましょう。
下の図の濃い緑がデンマークです、ドイツの北に位置しています。

〈デンマーク:Wikimedia Commons〉
グリーンランドは一見すると人が住みにくい土地のように見えますが、実はこの島には世界の大国が注目する巨大な価値があります。
なぜアメリカはグリーンランドを狙うのか
アメリカがグリーンランドに強い関心を持つ理由は主に3つあります。
- 軍事的な戦略拠点
- 巨大な地下資源
- 北極航路の支配
これらはどれも世界の安全保障や経済に大きく関わる要素です。
理由① 北極圏の軍事拠点になる
グリーンランドは地理的に非常に重要な場所にあります。
北極圏に位置しているため、
- アメリカ
- ヨーロッパ
- ロシア
の中間地点にあります。
もしロシアがアメリカに向けてミサイルを発射した場合、その多くは北極圏を通過するルートになります。
そのためアメリカはグリーンランドに、ピトゥフィク宇宙基地(旧チューレ空軍基地)という軍事施設を設置し、ミサイル警戒システムを運用しています。

〈ピトゥフィク宇宙基地(旧チューレ空軍基地):Wikimedia Commons〉
この基地は冷戦時代から現在まで、アメリカの防衛にとって重要な拠点となっています。
デンマークの自治領ではありますが、アメリカの息がかかっているのです。
日本にもアメリカ軍の基地があるので、同じような感じだと思って頂ければ問題ないです。
理由② レアアースなど資源が豊富
グリーンランドには、多くの地下資源が眠っていると考えられています。
特に注目されているのが
- レアアース
- 石油
- 天然ガス
- ウラン
- 金
- ダイヤモンド
などです。
レアアースはスマートフォンや電気自動車、軍事機器などに必要な重要資源です。
現在その多くは中国が生産を支配しているため、アメリカにとっては大きな安全保障問題になっています。
石油や天然ガスの資源はいくらあっても困らないですし、金は現在価値が急上昇しています。
グリーンランドは国家の繁栄に欠かせない、キーポイントの宝庫なのです。
理由③ 北極航路の支配
近年、地球温暖化によって北極の氷が減少しています。
その結果、新しい海上ルートである北極航路が注目されています。
北極航路を使うとアジア → ヨーロッパの距離が、従来のスエズ運河ルートよりも約30〜40%短くなると言われています。

〈北極航路:Wikimedia Commons〉
赤が北極航路、緑がスエズ運河を通る航路です。
明らかに赤い線の方が短いですよね。
スエズ運河はアフリカとアジアを分断する、エジプトが所有する運河です。

〈スエズ運河:Wikimedia Commons〉
画像を見て「本当に運河になってる?」って思った方もいるかもしれませんが、毎日多くの船が通交しています。
もし北極航路が本格的に使われるようになれば、世界の貿易ルートは大きく変わる可能性があります。
グリーンランドは北極航路の近くにある為、海上交通の重要拠点になる可能性があるのです。
アメリカのグリーンランド購入要望履歴
実はアメリカはグリーンランドを欲しがったのは最近の話ではありません。
過去にも何度も購入を検討しています。
1867年 :アラスカ購入後の構想
1867年、アメリカはロシアからアラスカを購入しました。
図の赤い部分です。

〈アラスカ:Wikimedia Commons〉
意外とロシアから購入した過去、知られてないんですよね。
何でアメリカって離れたところに領土があるの?って思っていた方も多いかもしれません。
当時ロシアが戦争に明け暮れ金欠になっており、アメリカに売却を提案したのです。
このときアメリカ政府の中では
- グリーンランド
- アイスランド
も獲得する案が検討されていました。
アイスランドの場所も確認しておきましょう!
イギリスの北に位置する島国です。

〈アイスランド:Wikimedia Commons〉
グリーンランド・アイスランド購入案は、アメリカが勝手に購入する構想を描いていました。
しかし、実現することはありませんでした。
1946年:1億ドルでデンマークに購入提案
第二次世界大戦後、アメリカ大統領の「トルーマン」が、デンマークに対してグリーンランドを1億ドルで購入する提案をしました。

〈トルーマン:Wikimedia Commons〉
日本に原爆を落とすと決定した大統領ですね。
当時は戦争が色濃い時代だったので、軍事的安定をアメリカは考えていました。
北極を手中に収めれば、ロシアやヨーロッパの国々にも牽制出来ます。
グリーンランドは軍事基地にもってこいの場所なので、購入したいと声を上げるのは当然の流れです。
しかしデンマーク政府は、当然拒否します。
ただアメリカの強気の交渉に折れ、軍事基地の使用権を認めました。
デンマークとしても、「奪われるのは嫌だが、守ってくれるのはありがたい」という考えです。
2019年:トランプの購入提案
2019年、アメリカのトランプ大統領が「グリーンランドを購入したい」と発言したことで、世界的なニュースになりました。
しかしデンマークの首相の「メデ・フレズレクスン」は、「グリーンランドは売り物ではない」と即座に否定しました。

〈メデ・フレズレクスン:Wikimedia Commons〉
この発言にトランプ大統領は不満を示し、予定されていたデンマーク訪問を中止する事態になりました。
説明の通り、中々にトランプはワガママなのです。
「アメリカの大統領」=「世界のリーダー」なので、並みの考えの持ち主には務まらないのかもしれません笑
グリーンランドを巡る世界の争い
現在グリーンランドを巡って注目しているのは、アメリカだけではありません。
中国やロシアも北極圏に強い関心を持っています。
中国の北極進出
中国は2018年に「氷上シルクロード」という構想を発表しました。
これは北極航路を利用した新しい物流ルートを作る計画です。
「シルクロード」は皆さんご存じだと思います。
紀元前2世紀から15世紀半ばまで活躍したユーラシア大陸の交易路網で、中国で生産された「絹(シルク)」がヨーロッパまで運ばれていました。
下の図の赤いルートです。

〈シルクロード:Wikimedia Commons〉
今回の「氷上シルクロード」は大半が氷で閉ざされた北極海を通る道です。
なので「氷上」と表現しているのですね。
中国企業はグリーンランドの鉱山開発にも関心を示しています。
中国とアメリカは仲が悪いので、北極海を巡る利権の争いは激化していく事でしょう。
ロシアの北極軍事化
ロシアは北極圏に多くの軍事基地を建設し、軍事力を強化しています。
また北極航路の管理にも力を入れており、北極海の支配力を高めようとしています。
アメリカがグリーンランドを購入すれば、ロシアは危機に直面します。
トランプが大統領就任中は、まだまだ波乱の展開が続きそうです。
グリーンランドのまとめ
ここまでの話を纏めます。
グリーンランドが注目される理由は次の3つです。
- 北極圏の軍事拠点
- 巨大な地下資源
- 北極航路の要衝
そのためアメリカは150年以上前から、グリーンランドに関心を持ち続けてきました。
今後温暖化によって北極の環境が変化すると、グリーンランドの重要性はさらに高まる可能性があります。
そしてこの島は、世界の大国が争う新たな戦略拠点になるかもしれません。
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