皆さんこんにちは、パルです!
今回は鎖国をしたのか、解説をしていきます!
何で鎖国したか答えられる人ってあんまりいないと個人的に思います(笑)
実際は完全に貿易を完全に止めた訳ではなく、4つの窓口と言われる貿易拠点がありました。
それぞれ非常に大事なので、要点を抑えていきましょう!
江戸時代初期を復習したい方は、こちらをご覧ください!
そもそも何で鎖国の道に進んだのか?
鎖国の背景には、政治的、宗教的、経済的な複合的な理由が絡んでいます。
少し難しいですが、ついてきてください。
〈政治的要因〉
簡単に言うと、幕府の支配体制を守るためです。
江戸時代の前は戦国時代だったので、それぞれの国は自由に海外と貿易をしていました。
例えば織田信長は宣教師から、オルゴールや望遠鏡などを貰っています。
江戸幕府は諸大名が、海外との貿易で海外の進んだ技術を取り入れ、その技術を使って幕府に反抗されたら、抑えきれないと考えたのが政治的要因です。
〈宗教的理由〉
これも非常に大きい要素です。
高校で習う内容ですが、1600年のリーフデ号事件でスペイン人の乗客を助けた時にスペイン人から、スペインはキリスト教の布教と共に海外に植民地を増やしていると脅されました。
これを受け、幕府はキリスト教に危機感を持っていました。
絵踏みなど対策を行っていましたが、島原・天草一揆(1637〜1638)の キリシタンを含む反乱を受け、幕府は焦りを覚えました。
こうして幕府はキリスト教を徹底的に排除する為に、鎖国の道を加速させました。
〈経済的理由〉
これは政治的要因と似ていますが、よりお金関係に注目してほしいです。
一つの例として、ポルトガルとの貿易について話します。
当時は上にも書いた通り、日本のそれぞれの国ごとに貿易を行っていました。
それぞれの国の承認がポルトガルの商人から「生糸」を仕入れていたのですが、ポルトガル商人は一番高値で買ってくれる商人に売りたい為、オークション形式を始めました。
日本の商人は生糸が日本国内で売れるのが分かっている為、どんなに高くても生糸を仕入れます。
仕入れ値が高いという事は、一般人が商人から買うときは、当然もっと高くなります。
これによりお金持ちしか、生糸を入手出来ないという事態が発生しました。
これを受け幕府を対策を打ちます。
それぞれの国の商人が仕入れるのではなく、幕府が一括で仕入れて、それを藩に分配するという方式を採用しました。
これによりポルトガルの商人は、幕府しか買い手がいないのでオークション形式は取れません。
商品と適正な値段で日本国内に流通させる為にも、鎖国は合理的な政策だったのです。
4つの窓口

〈画像:Wikimedia Commons〉
① 長崎(出島)- オランダ・中国との貿易
ここは前回の復習なので、厚めに解説します。
第一の窓口である長崎の出島は、ポルトガル船の来航禁止後、オランダ人・中国人との貿易のために整備されました。
江戸幕府は当初、南蛮貿易を通じてヨーロッパの先進的な技術や生糸を手に入れる事に価値を見出していたが、キリスト教の布教活動が政治的な脅威と見なされるようになりました。
1637年の島原の乱を機に、幕府はキリスト教の拡大を強く警戒し、1639年にはポルトガル船の来航を禁じました。
オランダはプロテスタント国家なので、布教には関与せず、商業的利益のみを追求していたため、幕府はオランダとの関係を容認し、彼らを出島に閉じ込めて貿易を許可しました。
以下にまとめます。
- 相手国:オランダ(唯一の西洋国)、中国(明・清)
- 特徴
- 出島(人工島)に限って貿易を許可
- キリスト教の布教を避ける為、プロテスタントのオランダに限定
- オランダ商館員は長崎奉行の監視下で生活
- 目的:
- 中国の絹・書物や、オランダから薬・ガラス・科学技術などを輸入
- オランダからヨーロッパの最新情報をオランダ風説書から得ていた
② 対馬(つしま)- 朝鮮との外交
朝鮮との外交は、豊臣秀吉の朝鮮出兵後、国交断絶状態になっていました。
対馬藩の氏は、朝鮮と幕府の仲介に入り、国交回復に尽力しました。

〈画像:Wikimedia Commons〉
- 相手国:朝鮮王朝(李氏朝鮮)
- 特徴:
- 対馬藩(現在の長崎県対馬市)が外交を担当
- 朝鮮通信使の来日などを通じて、文化・技術の交流もあった
- 目的:
- 国交を維持することで海外の脅威を低減
- 文書による儀礼的な往復や、物品のやり取りがあった
③ 薩摩(下の写真は、薩摩藩の政庁)- 琉球王国を通じた中国との間接貿易

〈画像:Wikimedia Commons〉
琉球王国は独立した国家であり、中国・日本、東南アジアの国々とも貿易を行っていました。
その為琉球王国には、日本には無い文化が栄えていました。
薩摩藩は武力で琉球王国を征服し、琉球藩として幕藩体制に組み込み、利益を独占しました。
- 相手国:琉球王国(実質的に中国とも)
- 特徴:
- 薩摩藩(現在の鹿児島県)が1609年に琉球王国を服属させた
- 琉球は形式的に独立国のままで中国との朝貢関係を維持
- 目的:
- 中国と直接貿易出来ない為、琉球を通じた間接貿易を行った
- 薩摩藩はその利益で財政を支えた
④ 松前(下の写真は松前城)- アイヌやロシアとの交流

〈画像:Wikimedia Commons〉
北海道はこの時まだ日本では無く、蝦夷地と呼ばれていました。
蝦夷地ではアイヌという先住民が、古くから生活していました。
松前藩はアイヌに武力を持って従わせるようになり、アイヌにとって不平等な交易が始まるようになりました。(下の写真は松前藩〈左〉に貢物を献上するアイヌの人々〈右〉)

〈画像:Wikimedia Commons〉
- 相手地域:アイヌ民族(蝦夷地=現在の北海道)、後にはロシア
- 特徴:
- 松前藩(現在の北海道南部)がアイヌとの交易を独占
- 魚や毛皮、海産物と交換で日本の特産品を輸出
- 目的:
- 蝦夷地の幕府直轄地化と交易
- 18世紀後半からはロシア船の出現に備えて幕府の直接統治に移行
以上のように、江戸幕府が設けた4つの窓口は単なる交易拠点では無く、外交・治安・情報収集の機能を併せた重要な拠点でした。
鎖国とはいえ完全な孤立ではなく、幕府はこれらの窓口を巧みに利用して、国際情勢を把握し、国内の安定を守っていました。
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