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今回の和歌
85番 俊恵法師(しゅんえほうし) 『千載集』恋二・766
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
夜通しもの思いにふけっていると、夜がなかなか明けないように感じる。
寝室のほんの僅かな隙間さえも、冷たく感じられてしまった。
語句解説
【夜もすがら】
「夜通し」とか「一晩中」という意味の副詞。
【もの思ふ頃は】
「もの思ふ」= 「つれない人を想って思い悩む」という意味。
「頃」= 今回は「夜ごと」というニュアンスがあり、「毎晩つれない人を想って」という意味。
【明けやらで】
下二段動詞「明く」の連用形「明ける」+「すっかり~し終える」という補助動詞「やる」の未然形 + 打ち消しの助動詞「で」。
「夜が明けそうにない」「明ける気配がない」という意味。
【ねやのひまさへ】
「ねや」=「寝室」
「ひま」=「隙間」
「さへ」は「~でさえ」の意味で、「つれない想い人だけでなく寝室の隙間でさえ」という訳。
【つれなかりけり】
形容詞「つれなし」の未然形「つれなかり」+詠嘆の助動詞「けり」。
「冷たく感じられてしまったなぁ」の意味。
作者: 俊恵法師
俊恵(しゅんえ)〈1113年 ~ 1191年〉
平安時代後期の歌人で、東大寺の僧侶です。
源経信(つねのぶ)の孫、源俊頼(としより)の息子で、三代に渡って百人一首に選ばれています。
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仏教の教えを背景にしながらも、人間の深い感情や孤独、無常観を繊細に詠み上げる作風が特徴です。
静かで厳かな雰囲気の中に深い悲しみや祈りの念が込められており、平安末期の歌壇において重要な位置を占めました。
また、俊恵法師は藤原俊成や藤原定家といった当時の著名な歌人たちとも交流があり、歌論や和歌の伝統を受け継ぎながらも、独自の精神性を持った作品を残しました。
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鑑賞:長く孤独な夜、愛する人を想うと😢
夜通し続くもの思いの深さと、その心の苦しさが自然の情景を通して静かに伝わってくる一首です。
「夜もすがら」という言葉からは、時間の経過が感じられず、まるで永遠に続くかのような悩みの重さが伝わってきます。
思いに沈む心は、暗闇の中で一人苦悶しているかのようで、その孤独感が胸に迫ります。
さらに「ねやのひまさへ つれなかりけり」という表現は、身を寄せるはずの寝室の小さな隙間さえも冷たく感じるほど、心が傷つき切っている様子を象徴しています。
物理的な温もりや安心感すらも得られず、心の孤立が高まっている事が読み取れます。
心の深奥にある無力感や孤独、そして時間の感覚までもが繊細に描写されており、読む者に静かな共感と哀愁を呼び起こします。
俊恵法師らしい、内面的な精神世界を見事に表現した一首と言えるでしょう。
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