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今回の和歌
78番 源兼昌(みなもとの かねまさ) 『金葉集』冬・270
淡路(あはぢ)島 かよふ千鳥の 鳴く声に
いく夜寝覚めぬ 須磨の関守(せきもり)

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
淡路島へ通っていく千鳥の鳴き声に、
幾度となく夜中に目を覚ましてしまう、須磨の関の番人よ。
語句解説
【淡路(あはぢ)島】
兵庫県の西南部沖に位置する島です。
紀淡海峡に位置し、古くから瀬戸内海の交通の要所。
【かよふ(通ふ)千鳥(ちどり)】
行き来する、往復するという意味。
「千鳥」= 海辺に生息する鳥。(下の写真)
〈画像:Wikimedia Commons〉
夜や夕方に鳴くことが多く、もの寂しい情景を表すことが多いです。
【くらぶれば】
「比べると」の意味。
動詞「くらぶ」の已然形に接続助詞「ば」が付き、順接の確定条件を表します。
【鳴く声に】
「千鳥が鳴く声によって」の意味。
【いく夜寝覚めぬ】
「いく(幾)」=「いくつもの」という意味。
「寝覚め」は眠りから覚めること。
「ぬ」は完了の助動詞の終止形です。
本来は後ろに、「須磨の関守」という体言が来るので、連体形の「ぬる」が正しいのですが、字余りになる為「ぬ」にしたと思われます。
【須磨の関守】
須磨は神戸市付近の地名。
関守は関所の守り人。
旅人の出入りを監視する役割を持つ。
作者: 源兼昌
源兼昌(みなもとの かねまさ)〈生没年 不詳〉
平安時代後期から鎌倉時代初期にかけて活躍した貴族であり、優れた歌人として知られています。
伝統的な和歌の形式を尊重しつつも、新しい感性を取り入れることで「新古今調」と呼ばれる和歌の潮流の一翼を担いました。
彼の作品は自然の風景や季節の移り変わりを繊細に描き出し、その中に人間の複雑な感情や儚さを巧みに織り込んでいます。
恋愛や旅にまつわる情緒を豊かに表現し、その優雅で繊細な作風は後の歌人たちにも大きな影響を与えました。
彼の繊細な感受性と洗練された表現は、平安時代から鎌倉時代への文化の橋渡しとしても位置づけられています。
鑑賞:淡路島と須磨の往来、千鳥の鳴き声🐦
静かな夜の情景と人の心情が繊細に交錯する作品です。
淡路島を行き来する千鳥の鳴き声が、まるで夜の静寂を破るかのように響き渡り、その声に何度も目を覚ます関守の寂しさや不眠の苦しみが伝わってきます。
自然の音が人の感情と深く結びつき、風景が単なる背景ではなく、心の揺れや孤独を映し出す鏡となっている点が特徴的です。
千鳥の鳴き声は遠く離れた場所と結びつき、旅の途上にある人の切なさや責任感、そして孤独感を象徴しています。
また、日常の一瞬を切り取ることで、普遍的な寂寥感や人の弱さを表現しており、短い言葉の中に豊かな情感が込められています。
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