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今回の和歌
31番 坂上是則(さかのうえのこれのり) 『古今集』冬・332
朝ぼらけ 有明の月と みるまでに
吉野の里に ふれる白雪

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
夜がほのぼのと明け始めた頃、有明の月の光かと思うほどに、
吉野の里には白い雪が一面に降り積もっていた。
語句解説
【朝ぼらけ】
夜が明け始めて、空がうっすらと白み始める頃。
【有明の月(ありあけのつき)と】
夜明けの空にまだ残っている月。
「と」は、ここでは比喩(たとえ)を表す助詞で、「~のように」と訳します。
【みるまでに】
「~のように見える」「まるで~のように」という意味。
助詞「まで」+ 格助詞「に」で、比喩・例示の表現。
今回は「有明の月の光に見えるくらいに(雪が輝いている)」と使われている。
【吉野の里】
大和国(現在の奈良県)の吉野のあたり一帯。
桜や雪の名所として古来から有名。
【ふれる白雪(ふれるしらゆき)】
「降り積もる白い雪」という意味。
「る」は、継続を示す助動詞「り」の連体形。
雪がまさに舞い降りている様子を表す。
作者: 坂上是則
坂上是則(さかのうえのこれのり) 〈860年頃〜920年頃〉
〈画像:Wikimedia Commons〉
平安時代前期の歌人で、三十六歌仙の一人に数えられる人物です。
坂上田村麻呂(下の写真)の一族に連なる家系に生まれ、官人として朝廷に仕えながら、和歌の才能を発揮しました。(坂上田村麻呂は初代征夷大将軍に任命された人です。)
〈画像:Wikimedia Commons〉
彼の歌風は、自然の情景や人の感情を繊細に捉える事に長けており、『古今和歌集』をはじめとする勅撰和歌集にも多数の作品が収められています。
優れた歌人としてだけでなく、当時の宮廷文化の中で文学的才能を認められていた人物でもあります。
坂上是則の名は他の著名歌人ほど頻繁には登場しませんが、彼の作品は洗練されており、後世にも影響を与えました。
その静謐で情趣あふれる表現は、平安時代の和歌文化を彩る一つの流れを代表しています。
鑑賞:趣深い風景、吉野の里で🌙
夜明けの美しい一瞬を見事に切り取った作品です。
「朝ぼらけ」は、夜がほのぼのと明けはじめる頃、空が淡く白んでいく時間帯を表しています。
「夜空には有明の月が残っており、作者が吉野の山里を見ると、白く美しい雪が地に降り積もっているのが目に入った」という場面です。
特に印象的なのは、「有明の月とみるまでに」という表現です。
これは「まるで有明の月の光のように白く輝いている」という意味と、「有明の月を見ている間に、いつのまにか雪が降っていた」という時間の移ろいを示す意味の両方を含んでいます。
この二重の意味によって、読者に様々な情景を思い描かせています。
また、舞台となっている「吉野の里」は、古くから桜や雪の名所として知られた場所です。
冬の吉野は静けさと清らかさに包まれており、その風景の美しさは、月の光と雪の白さによって一層幻想的に感じられます。
時の移ろいの儚さや静かな感動を、「風景、光、時間、感情」と共に織り込んだ句になっています。
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