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今回の和歌
28番 源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) 『古今集』冬・315
山里(やまざと)は 冬ぞ寂しさ まさりける
人目(ひとめ)も草も かれぬと思へば

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
山里は冬になると、いっそう寂しさが増すものだ。
人の訪れも途絶え、草も枯れてしまうのだと思うと。
語句解説
【山里(やまざと)】
山の中にある人里。
都から離れた、自然の多い静かな場所。
【冬ぞ寂しさまさりける】
「冬は特に寂しさが増すものだ」の意味。
ぞ=強調の係助詞。
まさりける=「まさる(勝る・増す)」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。
【人目(ひとめ)も草も】
「人目」=人の出入りや人と接する機会。
【かれぬと思へば】
「かれ」は「離れ」と「枯れ」の掛詞。
人が訪問しなくなる意味の「離る」と、木が枯れる「枯れ」の意味が掛けられています。
「思へば」は倒置法で、最初の「山里~」に続きます。
作者: 源宗于朝臣(源 宗于)
源 宗于(みなもとのむねゆき)〈不詳〜940年〉
〈画像:Wikimedia Commons〉
平安時代前期の代表的な貴族であり歌人です。
嵯峨天皇(下の写真)の孫にあたり、源氏の名門に生まれました。
〈画像:Wikimedia Commons〉
朝廷でも一定の地位を築きましたが、政治よりも文学、和歌の分野でその名を知られる人物です。
勅撰和歌集である『古今和歌集』の撰者の一人に選ばれたほどの実力者であり、当時の歌壇で特に高く評価されていました。
宗于の和歌は、風雅で気品があり、自然の描写や人の心の機微を繊細に捉えているのが特徴です。
恋の歌においても、激しい感情よりも静かで深い思いを淡く詠む作風が多く見られます。
『古今和歌集』『後撰和歌集』などの後の勅撰集にも彼の歌が採られており、平安文学史において重要な役割を果たした歌人の一人と言えます。
鑑賞:深まる孤独感、冬の訪れから⛄️
冬の山里の寂しさが一段と深まっている様子を詠んだものです。
「山里は冬ぞ寂しさまさりける」という一節からは、季節が冬になり、山里の風景や雰囲気がいっそう寂しく感じられることが伝わってきます。
冬の冷たさや静けさが普段の山里の様子を、孤独で物寂しいものにしています。
次に、「人目も草もかれぬと思へば」という部分では、周囲の人の気配や草木の生命力さえも失われてしまったと感じられる事で、寂しさがより強調されています。
人の往来も無く草も枯れてしまったと思うと、一層の孤独感が心に迫ります。
この和歌全体からは、自然の移ろいとともに訪れる孤独や寂寥の感情が鮮やかに描かれており、季節の厳しさとともに心の静かな嘆きを感じさせます。
作者の繊細な感受性が、冬の山里の静けさと人の気配の無さを通して、深い情緒を生み出しています。
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