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今回の和歌
26番 貞信公(さだのぶこう) 『拾遺集』雑集・1128
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ


〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
小倉山の峰の紅葉よ、もしお前に心(思いやり)があるなら、
もう一度天皇が行幸(ぎょうこう)なさるまで、散らずに待っていてくれ。
語句解説
【小倉山(おぐらやま)】(下の写真)
京都・嵐山の北西にある山。
紅葉の名所として有名。
〈画像:Wikimedia Commons〉
【峰(みね)】
山の頂(いただき)や尾根。
ここでは小倉山の高いところを指す。
【もみぢ葉(もみじば)】
紅葉した木の葉。
特にカエデなどの赤く色づいた葉のこと。
【心あらば】
「心があるなら」「思いやりがあるのなら」という意味。
【今ひとたび】
「もう一度」「今いちど」という意味。
作者の切なる想いが込められている。
【みゆき(御幸)】
天皇の外出、おでかけ。
ここでは紅葉を見るための行幸(ぎょうこう)を指す。
【待たなむ】
「待ってほしい」という意味の願望表現。
「なむ」は願望を表す終助詞
作者: 貞信公(藤原忠平)
藤原忠平(ふじわらのただひら)〈880年〜949年〉
平安時代前期〜中期の公卿・政治家で、藤原北家の出身。
兄は藤原時平(菅原道真を左遷した人物)で、自身はその弟にあたります。
↓菅原道真の句も解説しています、ぜひご覧ください!↓
忠平は醍醐天皇の信任を得て、延喜の治と呼ばれる平和で安定した政治の中心を担いました。
その後も朱雀天皇、村上天皇と三代に渡って重用され、摂政や関白など天皇を補佐する最高位の職にも就いています。
彼の政治は穏健かつ賢明で、藤原氏の権勢を固める上で大きな役割を果たしました。
晩年には出家し、仏教への信仰を深めたと伝えられています。
その人柄や業績は高く評価され、死後には「貞信公(ていしんこう)」という諡号(しごう)(亡くなった人に対して贈られる名誉ある呼び名)が贈られました。
この名で後世に語り継がれ、文学的にも教養ある人物として知られています。
鑑賞:美しい紅葉を、天皇の行幸に🍁
紅葉の名所として知られる小倉山の風景を背景に、自然と人の心を重ね合わせる優しい感性が光る一首です。
紅葉に「心(思いやり)」があるなら、天皇がもう一度訪れるその時まで、どうか散らずにいてほしいと語りかける事で、自然に心を持たせるような擬人化表現が印象的です。
紅葉の美しさを詠むのではなく、その美しさをもう一度天皇に見て頂きたいという願いを込める事で、自然と政治的立場そして人間の感情が一体となった豊かな表現となっています。
紅葉に願い込めている情景から、作者の天皇への深い敬意と忠誠心が伝わってきます。
落葉が始まる紅葉の時期を惜しみつつ、それでも自然の美と天皇の行幸が交わる奇跡の瞬間を願う歌です。
控えめでありながら情感深く、静かな敬愛と風雅の心に溢れた一首と言えるでしょう。
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