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今回の和歌
24番 菅家(かんけ) 『古今集』羈旅・420
このたびは 幣も取りあへず 手向(たむけ)山
紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに

〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
今回の旅は、十分な贈り物は用意できませんが、手向けの山に紅葉が美しく色づ
いている紅葉を捧げるのでを、神の御心のままにお受け取りください。
語句解説
【このたびは】
「この度(たび)は」と「この旅(たび)は」の掛詞。
「今回の旅では」という意味。
【幣(ぬさ)】(下の写真)
〈画像:Wikimedia Commons〉
神への奉納物。
神社に奉納するための物品や供え物を指します。
和歌では贈り物としての意味で使われています。
【取りあへず(とりあえず)】
「用意するひまがなく」という意味。
旅の途中で道祖神(下の写真)にお参りするときに捧げました。
〈画像:Wikimedia Commons〉
ここでは贈り物が十分に準備できていないことを表しています。
【手向山(たむけやま)】
山城国(現在の京都府)から大和国(現在の奈良)へと行くときに越す山の名前。
また、「神に幣を捧げる」という意味の「手向(たむ)け」の意味。
実在する「手向山」と、幣を捧げる「手向け」という掛詞になっています。
【紅葉(もみぢ)】
秋に葉が赤や黄色に色づく現象を指し、ここでは秋の美しい風景を象徴的に表しています。
神への奉納や贈り物の美しさを強調する為に使われています。
【錦(にしき)】(下の写真は錦の一例です。)
錦は「豪華な織物」という意味で、美しい模様や色を持つものを指します。
紅葉の美しさを形容するために使われ、紅葉が錦のように色鮮やかで美しい様子を表現しています。
〈画像:Wikimedia Commons〉
【神のまにまに】
「神の御心のままに」という意味で、神の意向や意志に従うことを示します。
今回の贈り物を準備することが出来ない状況において、神の意志に委ねているという意味合いです。
作者: 菅家(菅原道真)
菅原道真(すがわらのみちざね)〈845年 ~ 903年〉
〈画像:Wikimedia Commons〉
平安時代前期に活躍した学者であり政治家です。
幼い頃から漢詩や中国の古典に優れた才能を示しました。
その学識が評価され朝廷に仕えるようになると、宇多天皇(下の写真)に見いだされて政治の世界でも頭角を現し、異例のスピードで右大臣にまで昇進します。
〈画像:Wikimedia Commons〉
しかし、この急激な出世が当時の有力貴族である藤原氏の反感を買い、藤原時平(下の写真)によって無実の罪を着せられ、九州の太宰府へ左遷されてしまいます。
〈画像:Wikimedia Commons〉
そこでの生活は非常に厳しく、道真は失意のうちに亡くなりました。
その後、都では落雷や疫病、火災など不吉な出来事が続いたことから、「これは道真の怨霊のたたりだ」と恐れられるようになります。
朝廷は道真の怒りを鎮めるため、彼を神として祀るようになり、現在の太宰府天満宮が建立され、「学問の神様」として信仰が始まりました。
今日では京都の北野天満宮など、全国の天満宮で菅原道真が祀られ、受験生を中心に多くの人々から信仰を集めています。
彼の厳しい人生は、努力しても報われない理不尽さと、それでも後世に名を残す人間の強さを私達に教えてくれます。
鑑賞:神への敬意、教養人として🙏
菅原道真が都を離れて地方へ向かう際、手向山(奈良の東大寺近く)で詠まれたとされる歌です。
「ぬさも取りあへず」とあるように、急な旅立ちでまともな準備すら出来ていない様子が分かります。
これは単なる旅ではなく「左遷の旅」であり、つまり失意のうちに都を去る旅であったことが暗示されており、その心情が静かに強く響いてきます。
「手向山」は実際に作者がいる場所と、作者の現状として幣を用意出来なかった事を掛詞として表しており、彼の和歌の素晴らしさが際立ちます。
さらに、「紅葉の錦 神のまにまに」という表現は、美しい紅葉を神への捧げ物と見立て、自然を神聖なものとして受け入れる日本人の感性を示しています。
華やかな紅葉の美しさと、作者の切ない心情が対比され、悲しみの中にも品格と美しさを感じさせる歌となっています。
この和歌には、「自然との調和」・「運命を受け入れる作者の謙虚さ」・「深い教養からくる掛詞」が込められており、菅原道真らしい気品が漂っています。
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