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今回の和歌
17番 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん) 『古今集』秋・294
千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)
からくれなゐに 水くくるとは


〈画像:Wikimedia Commons〉
現代語訳
現代語訳
神々の時代にも聞いたことがないでしょう。
龍田川が、真っ赤な紅葉で水をしぼるように染め上げているなんて。
語句解説
【千早ぶる】
「神」にかかる枕詞。
語源的な意味ははっきりしませんが、「勢いが強い」「荒々しい」というイメージを神に重ねています。
【神代】
神々がこの世を治めていたという伝説上の時代。
「神の時代」という意味。
【きかず】
動詞「聞く」の未然形+打消し「ず」で、「聞いたことがない」という意味。
【龍田川】
奈良県の川の名前。
紅葉が美しい名所として古くから知られる。
【からくれなゐ】
鮮やかな濃い紅色で、現代の「深紅(しんく)」のような色。(下の写真)
外国(唐=から)から来た紅(くれない)という説がある。
【水くくる(括る)】
「くくる(括る)は、しぼる、まとめる、くくり合わせるという意味。
ここでは「紅葉で水を括る=水面が紅葉で染められている」という比喩的な表現。
【とは】
感動・驚きの終助詞。
「〜とは思いもよらなかった」というニュアンス。
作者:在原業平
在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)〈825年頃~880年頃〉
彼は平安時代前期の貴族であり、六歌仙や三十六歌仙にも選ばれた優れた歌人です。↓兄は在原行平で百人一首NO.16に登録されている人物です。↓
容姿端麗で恋多き男性としても知られており、その生涯や逸話は後に『伊勢物語』の主人公「男」のモデルになったと考えられています。
伊勢物語の作中には、恋の逃避行・宮廷での恋・旅先での情景など、さまざまなエピソードが短編的に語られ、その多くに業平の和歌が挿入されています。
在原業平は桓武天皇の曾孫という高貴な血筋でしたが、臣籍降下して在原姓を名乗ることになり、政治的には大きな出世をしていません。(臣籍降下は皇族が苗字を貰い一般人として生きる事)
しかしその分、自由な恋愛や旅を題材にした風流な和歌を数多く残し、王朝文学の美意識を象徴する存在となりました。
鑑賞:龍田川の紅葉、一面に広がる🍁
紅葉に染まる龍田川の美しい情景を、神話の時代にも聞いた事が無い程だと、驚きとともに詠んだ一首です。
「千早ぶる」は「神」にかかる枕詞で、冒頭から荘厳な雰囲気を漂わせています。
そして「神代も聞かず」という言い回しで、紅葉が水面を真っ赤に染めるという現象の美しさや珍しさが、まるで奇跡のようである事を強調しています。
「からくれなゐに水くくる」とは、紅葉が川面に散り広がり、その赤がまるで水を括るように染め上げているという表現です。
視覚的に鮮やかで、自然と一体になった情景描写が見事です。
単なる風景描写にとどまらず、自然の美しさに対する深い感動や畏敬の念が滲んでいます。
この歌の魅力は紅葉という季節の美しさを、ただ「美しい」と言うのではなく、古代神話の時代にまで思いをはせて、「未曾有の奇跡」として詠んでいる点にあります。
時代と自然と心情が交差する、非常に完成度の高い和歌です。
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