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【ヴェルサイユ体制・ワシントン体制】第一次世界大戦の終結とヴェルサイユ条約!

皆さんこんにちは!

今回は第一次世界大戦の講和条約であるヴェルサイユ条約を見ていきます!

5年に渡る戦いが終わり、ヨーロッパは荒廃して力を失いました。

代わりにアメリカが世界の中心国として名乗りを上げます。

アメリカが中心となって築かれる、ヴェルサイユ体制・ワシントン体制を確認していきましょう!

↓ドイツが敗北する流れはこちらで確認していください!!↓

原敬 内閣

米騒動の責任を取り「寺内正毅」内閣が総辞職しました。

〈寺内正毅:Wikimedia Commons〉

元老は「超然内閣」ではもはや、国民を抑えられないと悟っていました。

選挙の規制が「直接国税10円」に引き下げられたことにより、圧倒的な表を獲得したのが「立憲政友会」です。

立憲政友会の代表の「原敬」が総理大臣に就任しました。

〈原敬:Wikimedia Commons〉

初の本格的な政党内閣です。

「原敬」は岩手県の南部藩出身なので「薩長土肥」の派閥ではありません。

また出自も岩手県の新聞記者で、藩閥とは関係ありません。

〈原敬の実家:Wikimedia Commons〉

藩閥政治以外からの初めての選抜なので、「平民宰相」と言われています。

〈1918年 1月 十四か条の平和原則 発表〉

第一次世界大戦終結目前の1918年、新しい国際秩序の構築を目指して動きがあります。

アメリカの大統領「ウッドロウ・ウィルソン」により、「四か条の平和原則」が発表されました。

〈ウッドロウ・ウィルソン:Wikimedia Commons〉

世界に向けて公に発信した訳ではなく、アメリカ連邦議会での演説で発表しました。

14カ条は以下の通りです。

  • 第1条:講和の公開、秘密外交の廃止
  • 第2条:公海航行の自由
  • 第3条:平等な通商関係の樹立
  • 第4条:軍備の縮小
  • 第5条:植民地問題の公正な措置(民族自決)
  • 第6条:ロシアからの撤兵とロシアの自由選択
  • 第7条:ベルギーの主権回復
  • 第8条:アルザス=ロレーヌ地方のフランスへの返還(アルザス=ロレーヌ地方のフランスへの返還)
  • 第9条:イタリア国境の再調整
  • 第10条:オーストリア=ハンガリー帝国の民族自決
  • 第11条:バルカン諸国の独立保証
  • 第12条:オスマン帝国支配下の民族の自治保障
  • 第13条:ポーランドの独立
  • 第14条:国際平和機構(国際連盟)の設立

この中で特に抑えてほしいのが、第5条と第14条です。

日本にも大きな影響を及ぼすので、頭に入れておいてください。

〈1919年 3月1日 三・一独立運動(万歳事件)〉

「十四か条の平和原則」の第5条「民族自決」に感化されて起きた事件です。

朝鮮は日本の植民地なので、反乱が起きたのですね。

京城(現・ソウル)のパゴダ公園(現・タプコル公園)に宗教指導者らが集い、「独立宣言」を読み上げることを計画しました。

実際は仁寺洞の泰和館に変更され、朝鮮の宣言を朗読し「万歳三唱」をします。

その為「万歳事件」とも言われています。

当然日本が見過ごすはずもなく、朝鮮総督府から派遣された兵に鎮圧されました。

しかし、朝鮮総督府の総督であった「斎藤実」は秘密警察を廃止して、文治政治への転換を市民に約束しました。

〈斎藤実:Wikimedia Commons〉

〈1919年 5月4日 五・四運動〉

今度は中国で起きた反乱です。

こちらも「十四か条の平和原則」の第5条「民族自決」に感化されて起きた事件です。

3月1日に朝鮮で「三・一独立運動」が発生した事を受け、中国人も感化されて行動を起こしました。

1915年の日本による「対華21カ条要求」に不満を持った学生運動で、かなりの人数が参加しました。

↓対華21カ条要求はこちらで解説しています!!↓

五・四運動は中華民国政府が鎮圧に成功しました。

〈1919年 5月 衆議院議員選挙法 改正〉

「25歳以上男子で直接国税を3円以上納めている人」に選挙権が与えられました。

ここで重要なのは「政党内閣なのに納税条件を撤廃していない」です。

立憲政友会のサポーターは「お金持ちの農民」です。

納税条件を撤廃すると、本来サポーターではない農民にも選挙権が与えられます。

他の政党に票が流れるのを恐れて、納税条件を撤廃しなかったのです。

選挙権の変遷を確認しておきましょう!

年号首相納税条件(直接国税)選挙権の条件(年齢・性別)
1889年(明治22)黒田清隆内閣年15円以上満25歳以上の男子
1900年(明治33)山県有朋内閣年10円以上満25歳以上の男子
1919年(大正8)原敬内閣年3円以上満25歳以上の男子
1925年(大正14)加藤高明内閣納税条件撤廃(=普通選挙法制定)満25歳以上の男子
1945年(昭和20)幣原喜重郎内閣納税条件なし満20歳以上の男女(女性参政権実現)

〈1919年 6月28日 ヴェルサイユ条約〉

日本における正式条約名は「同盟及連合国ト独逸国トノ平和条約」です。

連合国とドイツの間で結ばれた条約なのが分かりますね。

〈ヴェルサイユ条約:Wikimedia Commons〉

講和条約なのに敗戦国であるドイツは会議に呼ばれず、決まった条約を通告する時だけ呼ばれました。

多くの犠牲者を出した憎しみが、ドイツという1つの国にぶつけられているのが分かります。

〈ヴェルサイユ宮殿の鏡の間における講和条約調印:Wikimedia Commons〉

内容は沢山ありますが、今回は日本に関係がある項目に絞ります。

抑えるべき内容は以下の2つです。

①山東省の旧ドイツ権益継承

②赤道以北の南洋諸島の委任統治

「どこかで見たことある・・・?」と思った方は素晴らしいです。

上記の内容は「対華21カ条要求」で日本が中国に認めさせた内容です。

逆に言えば、中国にしか認めさせていなかったので、世界の公の場で正式に認めさせました。

世界は戦争にコリゴリしたのか、平和を希求するようになります。


今回は記載していませんが、ドイツにはヨーロッパの各国から賠償金や軍縮・領土割譲など、厳しい内容の条約が結ばされました。

ヨーロッパ周辺の安定的な秩序を目指し、ドイツを抑え込んだ状態を「ヴェルサイユ体制」と言います。

〈1920年 1月10日 国際連盟 発足〉

「十四か条の平和原則」の第14条「国際平和機構(国際連盟)の設立」が実現しました。

本部はスイスのジュネーブに置かれました。

〈国際連盟本部:Wikimedia Commons〉

日本は「常任理事国」として国際連盟に加入しました。

「常任理事国」は日本・イギリス・フランス・イタリアの4ヵ国です。

※アメリカは国内の議会が反対した為、国際連盟には入っていません。

国際連盟の事務次長に就任したのは「新渡戸稲造」です。

〈新渡戸稲造:Wikimedia Commons〉

有名な著書に「武士道」があります。

〈武士道:Wikimedia Commons〉

若い方は知らないかもしれませんが、以前は5000円札に選ばれていました。

〈5000円札:Wikimedia Commons〉

他にも功績を残しているので、気になる方は調べてみて下さい!

高橋是清 内閣

「原敬」が東京駅で銃撃され暗殺されました。

犯行の動機は

戦後恐慌により日本が不景気に突入したから

立憲政友会がお金持ちを優遇しているから

普通選挙法に反対したから

などが考えられます。

現在の東京駅には「原敬」が暗殺された現場に、印が付いています。

〈東京駅の丸の内南口の北東面左端付近:Wikimedia Commons〉

後任は引き続き立憲政友会で、「高橋是清」が就任しました。

〈高橋是清:Wikimedia Commons〉

〈1921年 11月12日 〜 1922年 2月6日 ワシントン会議〉

アメリカの大統領「ウォレン・ハーディング」が提唱しました。

〈ウォレン・ハーディング:Wikimedia Commons〉

世界の軍縮に向けて各国を招集し、新たな国際秩序を構築するのが狙いです。

またアメリカに有利な国際情勢を築く目的もあります。

日本の全権は以下の三名です。

海軍大臣:加藤友三郎

〈加藤友三郎:Wikimedia Commons〉

駐米大使:幣原喜重郎

〈幣原喜重郎:Wikimedia Commons〉

貴族院議長:徳川家達

「徳川家達」は「徳川慶喜」が江戸幕府を存続させていた場合、16代将軍になった人物です。

その為世間からは世間からは「十六代様」と言われていました。

〈徳川家達:Wikimedia Commons〉

日本を牽制しアメリカに有利な条約が結ばれていくので、詳しく見ていきます!

〈1921年 12月13日 四カ国条約〉

日本・アメリカ・イギリス・フランスの4ヵ国で結ばれました。

〈四カ国条約:Wikimedia Commons〉

内容は

①太平洋の現状維持

②権利侵害の際の共同防衛

③日英同盟の破棄

の3つです。

①は新たな戦争を生まない為に、侵略行為を禁止しました。

②は4ヵ国の結束を固める為に、決められました。

③は一番の注目ポイントです。

アメリカは日本を危険視しているので、日本と戦争になった時にイギリスに首を突っ込まれるのを阻止するのが目的です。

〈1922年 2月6日 九カ国条約〉

日本・アメリカ・イギリス・フランス・イタリア・中国・オランダ・ポルトガル・ベルギーの9ヵ国で結ばれました。

内容は

①中国の主権尊重

②日本の特殊権益の否定

③石井・ランシング協定の破棄

の3つです。

この条約は完全にアメリカが日本を敵対視しています。

世界が平和を望む雰囲気になっている事を利用し、中国の介入に口出しをしてきたのです。

②で「対華21カ条要求」で手に入れた山東省の特殊権益を、強制的に返還させられました。

③では日本とアメリカの協調でもあった「石井・ランシング協定」を破棄する事で、日本に圧力を加えるのが目的でした。

日本にとって受け入れがたい内容ですが、世界の平和を求める雰囲気を考えると、要求を呑むしかありませんでした。

〈1922年 2月6日 ワシントン海軍軍縮条約〉:九カ国条約と同日

アメリカ・イギリス・日本・フランス・イタリアの5か国で締結されました。

主な内容は

①内容は「主力艦」の保有量を制限
アメリカ(5)・イギリス(5)・日本(3)・フランス(1.67)・イタリア(1.67)

②今後10年間主力艦建造禁止

の2つです。

①が非常に重要です。

日本の戦力がアメリカよりも少なく設定されています。

日本と戦争になった時に、戦力で負けないよう予め調整してあるのです。

また世界最強だったイギリスと保有量を同じにする事で、反感を買わないようにもなっています。

②は平和希求の約束です。

戦艦の建造には莫大なお金がかかるので、国の財政を圧迫します。

戦後復興に資金が必要なので、余計なお金を掛けたくないのが本音です。


一連の条約締結により、アメリカは世界の覇権国に成り上がりました。

アメリカが主導して構築された、東アジアや太平洋の国際秩序を「ワシントン体制」と呼びます。

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