皆さんこんにちは!
今回は第一次世界大戦と日本の参戦を解説します!
大正時代に入りすぐ、第一次世界大戦が始まります。
日英同盟を理由に参戦した日本は、どんな行動を取ったのでしょうか?
第一次世界大戦中は各地で歴史が動くので、今回は大まかな流れを追っていきます!
↓大正時代初めの内容はこちらをご覧ください!!↓
第2次 大隈重信 内閣
〈1914年 4月16日 大隈重信 総理大臣就任〉
「大隈重信」が76歳で人生2度目の組閣を行います。

〈大隈重信:Wikimedia Commons〉
なぜ「大隈重信」が選ばれたのかが重要です。
「第一次護憲運動」により、長州藩で陸軍の「桂太郎」が打倒されました。

〈桂太郎:Wikimedia Commons〉
続いて「ジーメンス事件」で薩摩藩で海軍の「山本権兵衛」が打倒されました。

〈山本権兵衛:Wikimedia Commons〉
つまり「薩摩・長州・陸軍・海軍」でもない人物を国民は求めていたのです。
そこで白羽の矢が立ったのが「大隈重信」でした。
肥前藩出身で国民からの人気もあるので、適任者として選ばれました。
かつての「憲政党」の党員が所属している「立憲同志会」が与党です。
二個師団増設問題も、この内閣で解決します。
〈1914年 6月28日 サラエボ事件〉:第一次世界大戦の始まり
いよいよ第一次世界大戦が始まります。
舞台は「ヨーロッパの火薬庫」と言われた、「バルカン半島」です。

〈バルカン半島:Wikimedia Commons〉
バルカン半島は古来から、民族紛争や宗教対立が激しい地域です。
今まで溜まっていた対立が一気に表面化しました。
経緯から詳しく見ていきます。
経緯
「オーストリア」の皇太子が「サラエボ(当時オーストリア領、現在はボスニア・ヘルツェゴビナの首都)」を訪問していました。

〈オーストリア(濃い緑):Wikimedia Commons〉
オーストリアに不満を持っていた、セルビア人の青年によって皇太子が暗殺されてしまいます。

〈サラエボ事件:Wikimedia Commons〉
サラエボ事件を受け、オーストリアはセルビアに宣戦布告します。
各国は戦争を回避するべく動きましたが、努力も虚しく開戦しました。
第一次世界大戦勃発です。
各国は「連合国」vs「同盟国」に分かれて争います。

〈交戦勢力:Wikimedia Commons〉
〈1914年 8月15日 日本がドイツに宣戦布告〉
日本はイギリスと1902年に「日英同盟」を締結していました。
イギリスからの後押しもあり、「連合国」として参戦します。
狙うは中国の「南洋諸島」・「青島」に植民地を持っていたドイツ帝国です。
〈1914年 10月 日本が南洋諸島を占領〉
「南洋諸島」は現在の「ミクロネシア」を指します。

〈ミクロネシア:ミクロネシア大使館〉
太平洋の島々を日本領にするキッカケとなる出来事でした。
〈1914年 11月 日本が青島を占領〉
今度は中国本土のドイツ植民地への攻撃です。
ドイツ東洋艦隊の本拠地だった、山東省の「青島(チンタオ)」を攻略しました。

〈青島:Wikimedia Commons〉
日本の念願だった、中国本土の植民地を手に入れる事に成功しました。
日本は当時、朝鮮しか植民地を持っていませんでした。
第一次世界大戦の参戦という形で、新しい植民地を手に入れる事に成功したのです。
〈1915年 1月18日 対華21カ条要求〉
ヨーロッパの国々が戦争に気を取られている内に、日本はアジアで調子に乗ります。
中華民国の「袁世凱」に対して「対華21カ条要求」を突きつけました。

〈袁世凱:Wikimedia Commons〉
「対華21カ条要求」は1~5号の5個に大きく分かれていて、その中に21個の要求が盛り込まれています。
実際の1~5号は、以下の通りです。
- 第1号:山東省について
- 第2号:南満洲及び東部内蒙古について
- 第3号:漢冶萍公司について
- 第4号:中国の領土保全について
- 第5号:中国政府の顧問として日本人を雇用すること、その他
何を言ってるか分からないと思うので、大切な部分をピックアップします。
1~5号で覚えてほしい主な内容は、以下の通りです。
- ①山東省のドイツ権益の継承
- ②南満州と東部内蒙古の権益強化
- ③大連・旅順の租借期間を99年間延長
- ④漢冶萍公司(かんやひょうコンス)の共同経営
- ⑤福建省を他国に不割譲
マニアックな内容が多いですが、この先の日本史を理解する上で非常に重要です。
1つずつ確認していきましょう!
①山東省のドイツ権益の継承
日本が山東省の「青島」を攻略した事を正式に認めさせる内容です。
他の国が口出しする前に、中国に認めさせました。
②南満州と東部内蒙古の権益強化
場所を確認しましょう。
下の図は満州全土を指しているので、「南満州」は大体下半分の地域を表しています。

〈満州:Wikimedia Commons〉
「内蒙古」は現在で言う「内モンゴル」です。

〈内蒙古:Wikimedia Commons〉
満州と内蒙古は若干範囲が被りますが、要するに中国の東北部を指しています。
ロシアの南下政策に対して、満州と内蒙古は絶対に日本が死守するべき土地です。
日露戦争により両国は緊張関係が続いているので、権益を強化したのです。
③大連・旅順の租借期間を99年間延長
日露戦争によって獲得した、中国の大連・旅順を事実上日本の領土する内容です。
復習ですが、大連・旅順は「遼東半島」にありましたね。

〈遼東半島:Wikimedia Commons〉
当時は国を併合する他に、土地を永遠に借りる事で植民地にする方法が流行っていました。
今回をキッカケに事実上、日本の領土して機能し始めます。
④漢冶萍公司(かんやひょうコンス)の共同経営
「漢冶萍公司」は中華民国最大の「製鉄会社」です。
「鉄」は戦艦やナイフなど様々な武器の原料として使われます。
日本は他国と比べて資源に乏しい国なので、武器の調達は必要不可欠なのです。
⑤福建省を他国に不割譲
まずは福建省の場所を確認しましょう。

〈福建省:Wikimedia Commons〉
福建省は台湾の向かいに位置しています。
台湾は日清戦争を機に、日本の植民地になっていました。
台湾を拠点にして中国大陸進出の足掛かりにしようと考えています。
↓日清戦争を解説しています、こちらもご覧ください!!↓
〈1915年 5月9日 対華13カ条要求 承諾〉
絶対に受け入れられない第5号全部と他の1条を削除し、計13カ条の受け入れで合意しました。
中国の国民は当然反発し、受け入れた 5月9日を「国恥記念日」と表しました。
中国は日本に対して、反感を募らせていくのです。
〈1916年 6月6日 袁世凱 死去〉
第一次世界大戦の真っただ中に、「袁世凱」が死去します。
中国では後継者問題が発生します。
〈1916年 7月3日 第四次日露協約〉
第一次世界大戦における、日露の関係強化が目的です。
内容は
第三国の中国支配阻止、極東における両国の特殊権益の擁護を相互に再確認
です。
↓第三次日露協約の内容は、こちらで確認してください!!↓
寺内正毅 内閣
「大隈重信」の後任は「寺内正毅(てらうちまさたけ)」です。
「大隈重信」は後継者指名で元老と対立し、総辞職しました。

〈寺内正毅:Wikimedia Commons〉
「寺内正毅」は初代朝鮮総督だった人物でもあります。
長州藩出身でゴリゴリの「超然内閣」です。
「超然内閣」=「国民の意見ガン無視内閣」です。
〈1917年 西原借款〉
「借款(しゃっかん)」=「お金を貸す事」を指します。
日本は中国を植民地にしたいと考えています。
「袁世凱」の代わりに台頭した「段祺瑞(だんきずい)」にお金を貸す事で、結びつきを強めるのが狙いです。

〈段祺瑞:Wikimedia Commons〉
日本の言いなりになる傀儡国家を作りたいのです。
この政策は当時の外務大臣の「西原亀三」が実行しました。

〈西原亀三:Wikimedia Commons〉
「段祺瑞」政権に1億4500万円を提供しました。
しかし効果はあまりありませんでした。
〈1917年 11月2日 石井・ランシング協定〉
特命全権大使の「石井菊次郎」とアメリカ合衆国国務長官「ロバート・ランシング」との間で締結されました。

〈石井菊次郎:Wikimedia Commons〉

〈ロバート・ランシング:Wikimedia Commons〉
中国での「特殊利益」に関する協定です。
日本の中国に対する「特殊利益」をアメリカに承認させる代わりに、アメリカには中国の門戸開放を約束しました。
1905年の満州鉄道の共同経営の話で、日米関係は悪化していました。
石井・ランシング協定により、一時関係の改善を見せました。
↓満州鉄道の共同経営の話をしています、こちらもご覧ください!!↓
〈1917年 ロシア革命〉
ロシア帝国の国民の怒りが爆発します。
皇帝は贅沢な生活を送っていますが、国民は度重なる増税・戦死者の増加や食料不足で生活の維持が困難になっていたのです。
圧倒的な反乱軍の強さに「ニコライ二世」は退位を余儀なくされます。

〈ニコライ二世:Wikimedia Commons〉
ソヴィエト政権が誕生し内戦を経て、「ソヴィエト社会主義共和国連邦」の成立に繋がるのです。
初の社会主義国家は、第一次世界大戦がキッカケで誕生したのですね。
↓ロシア革命と日本の関係を詳しく解説しています、こちらもご覧ください!!↓
〈1918年 ドイツ降伏〉
戦況が膠着化していましたが、ドイツが行った「無制限潜水艦作戦」を実行した事により事態が動きます。
「無制限潜水艦作戦」はドイツ近海に現れた外国の船を、何であろうと攻撃するという作戦です。
当時アメリカは第一次世界大戦を傍観していましたが、「無制限潜水艦作戦」で攻撃を受けブチぎれます。
連合国側で参戦し、ドイツをボコボコにしました。
ドイツ国内でも皇帝が亡命し、降伏しました。
受験生の方へ
大学受験を迎えるに当たって、絶対に外せない書籍があります。
それが日本史一問一答です。
日本史一問一答【完全版】3rd edition [ 金谷 俊一郎 ]
今まで多くの日本史一問一答に目を通してきましたが、ダントツで使いやすいのが東進ブックス出版の一問一答です。
最難関大学にもバッチリ対応できる問題量で、共通テストの対策も勿論万全です。
以下が実際の例題です。
日蓮は[★★]教が仏法の正しい教えである事を悟り、
[★★★]を唱える事によって救われると説いた。
文章が虫食い形式になっており、虫食いの[]の中に星1〜3が書かれていて、一目で単語の重要度分かります。
例題の答えは、★★=法華、★★★=題目、となります。
私立大学にしろ、国公立大学にしろ、日本史受験をするなら絶対に必要になる書籍です。
学校のクラスを見渡すと、既に持っている人もいるのではないでしょうか。
自分が受ける大学の難易度に合わせて、勉強量を調節できる書籍なので、受験勉強のゴールを知る為にも、一回は目を通して欲しいです。
早めに対策した者が受験勉強を制します。
さぁ、日本史を楽しみましょう!






コメント